令和5年度 文部科学省 科学研究費補助金 学術変革領域研究(A)
論文
2024年9月2日
山口 暢俊
A03班西尾の論文がPNASに掲載されました。
A03班西尾の論文がPNASに掲載されました。
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「変動する自然環境下で概日リズムと環境情報が統合されるプロセスを解明」
植物は24時間の環境の日内変動において、体内の概日時計と光や温度といった外部環境の手がかりを統合し、シグナル伝達を通じて細胞応答を引き起こします。しかし、自然環境下で生育する植物が情報を統合し伝達する仕組みは、まだ十分に理解されていません。当研究グループはハクサンハタザオ(Arabidopsis halleri)の自然集団を対象として、核から葉緑体へのシグナル伝達に関する遺伝子の発現を定量しました。環境操作実験や複数の統計モデリングを行なった結果、この経路の自然条件下での主要な調節因子は、概日時計と温度であることがわかりました。また、経路の構成遺伝子間における時間遅延ステップと、日周期的な温度応答の変動を特定しました。これらは概日時計のゲーティングと呼ばれるプロセスが自然環境下で働いていることを示唆しています。さらに、本研究で用いたモデリング手法は、日周期的な振動を持ち、環境シグナルに応答する他のシグナル伝達経路にも適用可能であることがわかりました。このように、フィールドでの遺伝子発現研究とモデリングを組み合わせるアプローチにより、自然環境下での日内環境変動が植物細胞内でどのように動的に統合・伝達されているかを示すことができました。
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京都大学プレスリリース
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2024-08-28-0
滋賀大学プレスリリース
https://www.shiga-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2024pr_20240828.pdf
PNAS